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隠れた宝物を探しに行こう!伊豆天城の森だより
伊豆・天城の森は、手つかずの自然の宝庫。かけがえのない美しい風景と、季節の話題を紹介します。伊豆の自然にふれる旅に出かけてみませんか?
 
天城の天然氷を貯蔵した「氷室」

三島方面から下田方面へ下ると、天城峠の手前に「水生地下」(すいしょうちした)というバス停があります。左に入ると旧下田街道(別名 旧天城街道)で、 川端康成の名作「伊豆の踊子」の舞台となった旧天城トンネルへと通じる道です。 15分ほど歩いて白橋を渡ると水生地です。 文字どおり狩野川の源流・本谷川が生まれたところです。橋から左に延びる本谷林道の右手に、氷室からなまこ岩への遊歩道が見えます。
この遊歩道を2〜3分歩いた場所に、かつて天然氷を貯蔵した氷室が再現されています。沢沿いに浅いプールのような囲みがあり、ここで天然氷を作り夏まで保存していました。氷室には次のような説明文が掲げられています。
「天然製氷と貯蔵の方法」
1.深さ50センチ 3カ所で216.5平方メートルの広さの人工池に水をいっぱいに張って板で碁盤状に区切っておきます。
2.冬期天城山の厳寒により、 一晩で10センチ厚の天然氷が表面に形成されます。それを区切り板からひき離し、氷面下へと沈めて行きます。
3.次に池表面にできてくる天然氷も(2)と同じ手法で底へと沈められて…、 こうして4〜5回繰り返すことによって、人工池は完全に天然氷のプールとなります。
4.氷は渡り廊下状のすべり板の上を手押しされて、 氷室のひきぬか(木のひきくず)の山の中に沈められ、 夏の需要期まで保存されます。
5.往時、当地の旅館、飲食店等では、この天城天然氷の美味深甚なることを誇っておりました。
水生地にひっそり佇む氷室
【写真1】水生地にひっそり佇む氷室。真夏でもひんやりとしています。
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氷室に掲げられている案内看板
【写真2】氷室に掲げられている案内看板には、製氷と貯蔵方法が記載されています。
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現代は家庭でも気軽に氷ができてしまう便利な世の中ですが、冷凍庫も冷蔵庫になかった時代、氷は貴重なものでした。旅館や料理店には木の冷蔵庫があったのを覚えている人もあろうかと思いますが、 保存はできても製氷技術まではなかった時代でした。従って天城の天然氷はかなりの評判であったと聞いております。温暖化で年々暖かくなったせいか、最近では氷が張ることはありません。標高1,172メートルの八丁池ですら氷が張ることは稀になりました。
この氷室は松本清張の短編小説「天城越え」の舞台として一躍有名になりました。 小説を読んだり、映画を見たりした方はご存じだと思いますが、主人公の鍛冶屋の少年が土工を殺し、この氷室で一夜を明かしました。事件があったのは6月という設定で、氷室には少し氷が残っていたといいます。 寒い季節ではなかったけれど、氷の上は冷たい。氷が溶けるのを防ぐためオガ屑を敷いてありましたが、この上に直に寝るのは無理なので氷の上にハシゴを置き板を乗せて、 その上に寝たと書かれています。

氷室からさらに沢沿いのコケむした樹林帯の遊歩道を20分ほど進むと、巨大な「なまこ岩」があります。その名の通り、海の生物・ナマコにそっくりな形をしています。距離は短いですが、天城の天然氷の歴史と自然を垣間見るに十分なコースです。

執筆:天城自然ガイドクラブ 真辺 征一郎さん(清水町在住)
 

小さなプールのような製氷場跡 巨石のなまこ岩 旧天城トンネルへ向かう途中の白橋
【写真3】小さなプールのような製氷場跡が氷室上流に3カ所。碁盤目状に板で仕切られていたものの、現在は土砂が堆積しています。
【写真4】巨石のなまこ岩。「風の谷のナウシカ」(宮崎駿監督作品)に登場する「オーム」の化石のようにも見えます。
【写真5】旧天城トンネルへ向かう途中の白橋を過ぎ、左に50メートルほど進んだところに氷室があります。
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エリアマップ <氷室跡なまこ岩マップ>

天城山系の優れた自然資源の保護活動を行うと同時に、利用促進をはかりながら地域の活性化に寄与する「エコツーリズム」を提唱する非営利団体です。
地域資源・ツーリスト・地域社会のバランスによりもたらされる「持続可能な観光」の実現が最終目的です。主な活動は、エコツアーの企画運営、ガイドの受託と養成、遊歩道パトロール、リアルタイム情報の発信、ルール・マナーの啓蒙、動植物の調査等。伊豆の観光に新しい風を吹き込もうと奔走中です。

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【期間】通年 【集合】道の駅天城越え 【解散】天城峠バス停 【参加費】4,000円(税・保険料込)

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