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| 【写真2】氷室に掲げられている案内看板には、製氷と貯蔵方法が記載されています。 |
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現代は家庭でも気軽に氷ができてしまう便利な世の中ですが、冷凍庫も冷蔵庫になかった時代、氷は貴重なものでした。旅館や料理店には木の冷蔵庫があったのを覚えている人もあろうかと思いますが、
保存はできても製氷技術まではなかった時代でした。従って天城の天然氷はかなりの評判であったと聞いております。温暖化で年々暖かくなったせいか、最近では氷が張ることはありません。標高1,172メートルの八丁池ですら氷が張ることは稀になりました。
この氷室は松本清張の短編小説「天城越え」の舞台として一躍有名になりました。 小説を読んだり、映画を見たりした方はご存じだと思いますが、主人公の鍛冶屋の少年が土工を殺し、この氷室で一夜を明かしました。事件があったのは6月という設定で、氷室には少し氷が残っていたといいます。
寒い季節ではなかったけれど、氷の上は冷たい。氷が溶けるのを防ぐためオガ屑を敷いてありましたが、この上に直に寝るのは無理なので氷の上にハシゴを置き板を乗せて、
その上に寝たと書かれています。

氷室からさらに沢沿いのコケむした樹林帯の遊歩道を20分ほど進むと、巨大な「なまこ岩」があります。その名の通り、海の生物・ナマコにそっくりな形をしています。距離は短いですが、天城の天然氷の歴史と自然を垣間見るに十分なコースです。

執筆:天城自然ガイドクラブ 真辺 征一郎さん(清水町在住) |